北條「菊池流」守備で“13戦”連続無失策中 バットに投球当たる瞬間「飛ぶ」

 独自の視点からプレーの真相に迫る「虎目線」。今回は打撃不振でスタメン出場が激減している阪神・北條史也内野手(22)にスポットを当てる。打率・204と低迷しベンチスタートが増えた。それでも守備面では出場19試合連続無失策をマーク。広島・菊池らと共通点を持つ22歳が、安定感ある守りを武器にレギュラー再奪取を狙う。

 レギュラーを確固たるものにするため、今は辛抱するしかない。北條にとって苦しい時期が続く。打率・204と低迷し、レギュラーを“剥奪”された。それでも守備でみせる成長は目を見張るものがある。

 今季ここまで50試合に出場し、4失策。数字だけ見れば、「成長した」とは言えないかもしれない。だが、現在出場19試合連続無失策中。その間、6度が代打出場のみで守備に就かなかったため実質13試合連続無失策だが、明らかに動き自体が変わっている。

 6月16日・楽天戦(甲子園)では1週間ぶりにスタメン復帰を果たした。その試合の先発は岩貞だったことで「ゴロも多いだろうと思っていた」と想定。4回までに1つのフライアウトを含む、6度の守備機会をそつなくこなす。速く難しいバウンドの打球も粘り強く捕球し、しっかりと左腕をもり立てた。

 その中で注目したのは一歩目までの動作だ。投手の投げた球が打者のバットに当たる瞬間、あえて「飛ぶ」。バットがボールに当たるタイミングで空中にいることで、即座に全方向に足を踏み出せるという。北條は「昔からやっていたので」と染みついた技術であることを明かし「打球判断とかスタートは大事にしている」と話した。

 実は名手たちも同様のしぐさをする。広島・菊池、巨人・坂本勇らだ。必ず投球ごとに体が地面から離れる。ファウルとなっても、その打球方向に体が動く速度が速い。つまり守備範囲も広がり、詰まったゴロでも捕球までが早くなる。だからこそ、チームを救うプレーが飛び出すのかもしれない。

 阪神の内野手で「飛ぶ」のは北條だけ。久慈内野守備走塁コーチは「癖みたいなものだと思うけど、それが悪いようなら言うけど、今のところ問題ないから」と言及。今季セ・リーグワーストの45失策を喫しているチームにとって、守備での貢献は大きい。再びスタメンで出続けるために-。そこに光は差している。

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