3番・糸井復活打 9戦ぶりスタメンで勝負強さ 首位に4差も食らいつけ!

 「広島13-3阪神」(23日、マツダスタジアム) 

 プロ野球は23日、リーグ戦が再開。阪神は広島との首位攻防戦に臨んだが…。今季初となる2桁失点で大敗。ゲーム差は4に広がった。そんな中、「3番・右翼」でスタメン復帰した糸井嘉男外野手(35)が、反撃の適時打を含む2安打と気を吐き、存在感を見せつけた。

 バット1本を手に持った糸井は、厳しい表情で帰路を急いだ。リーグ戦再開に合わせ、9試合ぶりとなった復帰戦。奮闘のマルチ安打も勝てなければ意味がない。敗れた悔しさ、怒りを糧にする。無言の決意表明。次戦へ気持ちを切り替えた。

 初回に3点を失った一戦。反撃はやはり糸井からだった。三回、2死一、三塁で打席に。ジョンソンに2球で追い込まれたが、簡単には倒れない。ボール、ファウルと続き5球目。外角の122キロカーブに食らい付いた。見送ればボール球。痛めた左足で踏ん張り、痛烈な打球を中前に運んだ。

 アクシデントが起きたのは9日のソフトバンク戦だ。試合中に左足の違和感を訴え、途中交代して病院に急行。「軽い筋挫傷」と診断された。翌日から出場を志願したが、首脳陣が必死の制止。その間も「出たいって言っても、出してもらわれへんからアピールや!!」と、球場の階段をダッシュする姿もあった。我慢の日々だった。

 代打での出場を続けながら9戦ぶりにスタメン復帰。思いはバットに込めた。12点差、敗色濃厚な八回。無死一塁で迎えた打席では左前打でつなぎ、その後の2点を呼び込んだ。1ボールから2球目。10球で降板した加藤が唯一、投げたストライクを見逃さなかった。今季18度目のマルチ安打でお役御免。代走が送られた。

 大敗を喫した試合後。首脳陣は糸井の復帰を前向きに捉えた。「2本出たからね。ここからまた、糸井らしさを出してね。引っ張っていってほしい」。片岡打撃コーチが期待すれば、金本監督も「2本出たのか、結果的に。そこは上がり目があるとしてプラスに考えましょう。いいふうに」と、復帰によるチームの相乗効果を願った。

 首位・広島とのゲーム差は、今季最大の4に広がった。それでも、金本監督がキーマンに指名する福留、糸井、鳥谷の3人に安打が出た。攻撃陣は11安打と奮闘。ベテランの意地は必ず次戦に生きる。糸井は試合後、無言でバスに乗り込んだ。次戦は雪辱の舞台。復活したバットで、チームを勝利に導くだけだ。

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