5点差大逆転!意地の鯉倒で2位前進 上本V撃 9月驚異の打率・553 

 「広島5-7阪神」(21日、マツダスタジアム)

 猛虎打線が驚異の粘りで、王者のお株を奪う逆転勝利を収めた。阪神は一回に5点をリードされる苦しい展開となったが、1-5の六回に打者一巡の猛攻で一挙4点を奪って同点。八回に上本博紀内野手(31)の左翼線への適時二塁打で勝ち越し、連敗を3で止めた。今季33度目の逆転勝ちは広島の41度に次いでリーグ2番目。まずは2位確保へ、気を緩めずに白星を積み重ねる。

 絶好調男が勝負を決めた。屈辱の日から3日。戦いの場を敵地に移し、意地を見せた。目の前で見た胴上げの悪夢を振り払うかのような痛烈な逆転劇。上本のバットがチームを救った。

 場面は同点の八回1死二、三塁。カウント3-1から中田のスライダーを完璧に捉えた。左翼線へ強烈なライナー。緊迫した状況を一振りで打破した勝ち越しの2点二塁打を放っても上本に笑顔はない。試合終了まで表情が緩むことはなかった。

 5点を追いかける三回にも左前適時打を放ち、3打点の活躍。9月は38打数21安打、打率・553と驚異的な数字を残している。バットをわずかに寝かせ、トップを作ってからのバットの揺れを最小限に抑えるなど、相手、状況などを考え、工夫を凝らす日々も続く。それらが結果へと結びついている。

 日本を代表するスラッガーのソフトバンク・柳田、さらには掛布2軍監督らも「天才的」と称賛する打撃。よく見ると、打席で軸足である右足が浮く。一般的には考えられないような動作だ。構えてから投球にタイミングを合わせてポン、ポン、ポンとリズムを刻み、スイングに移る。上本は「右足にしっかり体重を乗せようと思ったら、自然にそうなった」と明かす。独特な考えを持ち、追求するからこそできあがった独自の形だ。

 マツダスタジアムでの今季最終戦で見せた逆転勝利。5点差以上の逆転勝ちは、5月6日の広島戦(甲子園)での9点差以来、今季2度目。金本監督は「やっぱりやられているイメージの強い球場でね。こうやって勝てて、しかも逆転勝ち。選手が気持ちの上で、嫌なイメージを少しでも払しょくしてほしい」と話した。

 CSでファーストSを勝ち抜けば、必ずこの場所に来ることになる。大差をひっくり返し、王者に与えたダメージは大きいに違いない。連敗を3でストップし、2位確保へ大きく前進。このまま勝ち進み、再び真っ赤に染まる敵地で暴れ回ってみせる。

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