岡崎、初任給1500万円超え 腐らずコツコツ苦節13年でやっと

 阪神の岡崎太一捕手(34)が20日、西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、400万増となる1700万円でサインした。自由獲得枠で入団したプロ1年目に年俸1500万円で契約して以降、苦節13年の期間を経て“初任給超え”を果たした。今季は勝負どころでの活躍もさることながら、球団はファーム生活が長くても腐らず、コツコツと練習を重ねてきた人間性を高く評価した。(金額は推定)

 どんな状況に置かれても腐らなかった。やるべきことをコツコツと積み重ねてきた。プロ入り13年目で果たした“初任給超え”-。岡崎は照れ笑いを浮かべながら「情けないとは思いますが…」と率直な心境を明かした。

 04年度ドラフトの自由獲得枠で入団。当時の最高条件となる年俸1500万円で契約した。だが以降は矢野、城島といった高い壁に阻まれ、長く続いたファーム暮らし。年俸は下降線の一途をたどっていた。

 だが、金本監督就任後、可能性を見いだされて1軍に定着。今季は6月3日の日本ハム戦でプロ初本塁打となる逆転決勝2ランを放ち、翌4日には代打でサヨナラ打をマークし、2日連続でお立ち台に上がった。

 チームの勢いに陰りが見えてきた中での大活躍。「あの時は初戦に自分のミスで負けてしまって、これが最後かもしれないという気持ちで臨んだ」と岡崎は振り返る。

 さらに交渉役の嶌村球団副本部長は「金額のことは言えないけど、ファーム暮らしが長かった中、腐らずにやってきた選手。見本になる選手だと思います」と人間性の部分も高く評価した。どんな状況でも腐ることなく、万全の準備をして限られたチャンスを生かしたことが昇給につながった。

 「これが1、2試合だけではなく、プロは続けていかないといけない」と表情を引き締めた苦労人。坂本、梅野ら若手捕手が台頭する中でも「来年はレギュラーを取る。若いヤツには負けないように」と貪欲に、チャンスを奪いにいく。

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