秋山勝った!快投8回0封 辛抱強く援護待ち…「ゼロに抑えればいいこと起こる」

 「阪神2-0ヤクルト」(24日、甲子園球場)

 ベンチから身を乗り出した阪神・秋山は、ロサリオと激しく右手を交わした。決勝点を導く8回4安打無失点の熱投。手にした4勝目は、助っ人から「秋山のために」と思わせる投球だった。勝利の分岐点は八回。直球勝負に込めた「気持ち」だった。

 「ピンチでもマウンドに立たせてもらった。ゼロに抑えれば絶対いいことが起こると、力を出し切りました」

 0-0で迎えたこの回、2本の安打で1死一、三塁を招いた。香田投手コーチいわく「勝ちたい思いがあふれていた」投球に、継投の選択肢は…ない。代打・荒木を直球で見逃し三振に斬り、続く山田哲を打席に迎えた。初球、梅野の要求はボール。142キロで外角低めに外すと、タイムをかけてマウンドに呼んだ。

 「いくしかないぞ!!」。敬遠は…ない。捕手の言葉に力強くうなずく。思いは一緒だった。「梅野の意思を聞いておけば、球も変わってくると思った」。2球目、145キロで見逃しを取ると、3球目はこの日最速の146キロを計測。1球ボールを挟み、カウント2-2から5球目、真ん中高めの直球で右飛に抑え、吼(ほ)えた。

 対戦の中でギアが上がる投球に、梅野は変化球の選択肢を消した。「アキ(秋山)もベストな球で抑えたい」。思いを汲(く)んだサインが出た一方、秋山はより冷静に山田哲と対していた。「右に変化球を打たれていたので、後悔がないように直球を選んだ」。冷静と情熱の間で生まれた全球直球勝負。香田コーチはその気持ちを評価する。

 「闘志がマウンドに出ていた。気持ちはボールに伝わる。八回裏の攻撃に、思いがつながったのでしょうね」

 前回17日のDeNA戦は、5回4失点で4敗目を喫した。必死に修正に励んだものの、「手応えのない1週間」でもあった。最後は「負けない気持ち」が101球の熱投を支え、主砲の決勝打を呼んだ。「投げる試合は全部、勝つつもりで頑張りたい」。試合後は何度も次を口にした。1週間後に待つ交流戦登板。マウンドに、勝利に飢えている。

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