ロサリオ1軍復帰後初タイムリー 八回右翼フェン直「悪くない」
「DeNA10-3阪神」(20日、横浜スタジアム)
大きな一打だった。この男が放った、という意味が何よりも大きい。待ちに待った阪神・ロサリオの昇格後初の適時打。大量失点で沈んでいた虎党を盛り上げた。散発4安打と沈黙していた打線が、この一打を合図に3連打。試合終盤で、明日につながる意地を見せた。
八回だった。2死走者なしから作った好機。走者を二塁に置いて、打席にはロサリオ。数少ないチャンスに、虎党からはあふれんばかりの声援が送られた。その願いが、反攻の条件を整える。暴投で三進。そして迎えた6球目だった。
狙い澄ました142キロの直球を鋭くフルスイング。打球は低い弾道で右翼フェンス上部を直撃。5月24日のヤクルト戦(甲子園)以来となる57日ぶりの適時打を放った。勝負どころで出た待望の一撃。試合後には「感じは悪くない」とうなずいた。
約1カ月のファーム調整期間だった。鳴尾浜で汗を流し、活躍を信じる虎党からの熱い声援も心に刻んだ。「チームは勝てていないけど、なんとかして貢献できるようにやっていきたい」。昇格を果たして、2試合にフル出場。18日には二塁打でチャンスメークし、この日はフェンス直撃の大きな一打を放った。「今やっていることを続けていきたい」。プラス材料はロサリオの奏でた快音。信じて待つ虎党のためにも、うつむいている暇はない。