ラストチャンスをモノにする。阪神の矢野燿大２軍監督（４９）が、２１日の甲子園で、ウエスタン・リーグ優勝を決めることに並々ならぬ意欲を示した。今季最後の甲子園で感動のフィナーレを飾るべく、是が非でも勝利をつかみにいく。

　優勝マジック「２」を１９日に点灯させ、一気に勝負を決めに掛かった２０日の一戦だったが、ウエスタン・ソフトバンク戦（甲子園）は天候不良で中止。それに伴い、マジックは１つ減って「１」となり、きょう２１日の試合に引き分け以上、または中止でも優勝が決まることになった。だが指揮官は「そんな地味な優勝は嫌だ。引き分けでも嫌やなと思ったけど」と“勝利”でのＶ決定に強いこだわりを見せた。

　自身が経験した０３年のセ・リーグ優勝は、マジック対象チームのナイターでの勝敗を受けてのもの。「それはそれでめっちゃいい思い出になったんやけど」と懐かしむ一方で「ピッチャーマウンドに走って行って投手と抱き合って、あわよくばウイニングボールを自分のものにしてやろうというのが頭にあった」と劇的な幕切れのイメージを口にした。

　勝った瞬間に優勝が決まる感動は格別。しかもその舞台が甲子園なら「ここで優勝を決めるのは選手にとっても特別感が出ると思うし」と矢野２軍監督。最高の舞台で白星をつかみ、歓喜の時を待つ。