中谷、初実戦練習で一発 福留、糸井、ドラ1近本ライバルに譲らん

 3イニングバッティングで、打撃投手(手前右)から3ランを放ち、笑顔で本塁へ走る中谷
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 「阪神秋季キャンプ」(3日、安芸)

 ケガの功名なのかもしれない。阪神の中谷将大外野手(25)が、実戦形式の打撃練習で3ランを放った。秋季練習中に腰を痛めており、様子を見ながらの練習が続いていた今キャンプ。万全ではない状態でつかんだのは、力だけではない感覚だった。また、植田海内野手(22)が2打数2安打1四球。来季へ向けて外野、遊撃ともし烈な争いとなりそうな予感だ。

 何度も拳を握った。あふれ出たのは「ヨッシャー」という喜び。中谷が今キャンプ初の実戦形式の練習で、快音響かす一発回答だ。完璧弾で飛び出した中谷スマイルに、観衆も酔いしれた。

 この日行われたのは、打撃投手の投げる球を打ち返す3イニング限定の“紅白戦”。未来の主砲にいきなり大きな一発が飛び出した。無死一、二塁で巡ってきた、最初のアピールの場。初球をフルスイングで捉えると、打球は左翼ネットを大きく揺らした。右手を大きく上に突き上げ、ガッツポーズ。思わず感情を爆発させた。

 実は中谷は、秋季練習中に腰を痛めていた。現在も様子を見ながらの練習が続いているが、そんな万全ではない中で光が見えたという。浜中打撃コーチは「全力で振れない分、こういう打撃をすればボールは飛ぶのかってことが分かりつつある」と説明した。

 「今は少し軽めに振っている中で、いい感覚で打てている」

 そう表情を引き締めたのは中谷だ。来季待ち受けるのは激しい外野のレギュラー争い。実績十分の福留、糸井を相手に、若虎たちがしのぎを削り合う。そこに新戦力としてドラフト1位・近本(大阪ガス)も加わる。矢野監督は「競争激化してくれることを俺は願っている」と話した。中谷が今季味わった悔しさは理解している。だからこそと、指揮官も奮起を願う。

 「これからどんどん強く振っていこうと思います」。見えた光は、軽く振って遠くに飛ばす「リラックス打法」だ。それは中谷によく似合う、どでかいアーチをこれからも支えていく。

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