矢野阪神8盗塁!初陣15安打15点大勝発進 ノーサイン!いきなり超積極イズム

 「練習試合、阪神15-5LGツインズ」(17日、安芸市営球場)

 阪神が17日、安芸市営球場で韓国・LGツインズと練習試合を行い、15-5で勝利した。矢野燿大監督(49)にとっては1軍で初の対外試合となった中、初陣から「超積極的」な野球を披露しての大勝発進だ。ノーサインでも初回から選手個々の判断による4盗塁を絡めて一挙9得点を記録するなど、鮮やかな攻撃でファンの声援に応えた。18日のキャンプ最終日を前に、「矢野イズム」の浸透が見て取れた充実の船出となった。

 2軍監督時代からの継続であり、キャンプで改めて訴えたイズムは、見事に浸透されていた。初の対外試合の初回からいきなり足を絡めた9得点。矢野監督も「今年2軍でやってきたことができているかなと思う」と合格点を与えた戦いに、ファンも拍手喝采で盛り上がった。快晴の安芸で「超積極的」な矢野野球が披露された。

 「2軍でもずっと言ってきてた。『当たり前のレベルを上げような』と。サイン出な走れへんで、というところから、このピッチャー走れますやんとか、走れますよというのが、今の選手の当たり前の基準がグッと上がっているから」

 予告通りのノーサインの中、選手それぞれが個々の考えで躍動した。スキあらば走る。失敗を恐れず自身の判断で次の塁を狙う。初回、先頭の江越の左前打でスイッチオン。すぐに二盗を決め、続く高山も中前打から二盗に成功。その後大山、植田も二盗成功で初回に4盗塁を記録した。

 二回以降は熊谷が2つと、島田と植田も決め、この日の盗塁数は矢野監督の背番号88のように8度試みて8度成功。「みんなの中でこれやったらオレは走れるというのはだいぶ分かってきてくれたと思うから」。15安打15得点。安打の積み重ねに、足も絡めた攻撃に観客の心も躍る。期待は数字にも表れている。

 この日4300人の観客が集まったことで、最終日を残して、観客数の総数が昨年の秋季キャンプ(今年と同じ18日間)の2万6300人を抜き、2万6600人に。細かなファンサービスも実り、ファンの心もわしづかみの好発進だ。

 「相手にはちょっとアレだけど、あれぐらいのクイックとかタイミングだったら走るよというのは今の選手は持ち合わせているから、狙ったわけでないけど163個やったっけ?ウエスタン記録を塗り替えたと思う」

 個々の意識改革が実った結果のウエスタン記録。「(今日は)いいところは多かったんじゃない?(多くて)忘れたわ」。表情に充実の笑みが浮かぶ。個々の成長が結集すれば大きな夢につながる。18日で充実の秋季キャンプ打ち上げ。来季への確かな光が見えた。

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