浜地ギータ斬り 日本一打線相手に3回1失点好投

 ソフトバンク戦に先発し、力投する浜地=ヤフオク
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 「オープン戦、ソフトバンク1-0阪神」(2日、ヤフオクドーム)

 静かにつぶやいた言葉が今、現実になる。18歳で故郷を離れ、一人戦い続けてきた2年間。阪神の浜地真澄が、堂々の凱旋登板だ。3回3安打1失点。思いよ届け-。一流打者たちが名を連ねる鷹打線に、真っ向勝負を挑んだ。

 3万6336人が詰めかけた敵地。「(1軍の)こういう雰囲気は初めて。楽しくというか、勉強しながら投げられました」。“デビュー戦”は、少年時代に通ったいわば“ホーム”グラウンドだった。

 初回にいきなり激突した。柳田との初勝負。カウントを整えると、最後は力のこもった内角直球で詰まらせ中飛に。三者凡退で立ち上がると、矢野監督が評価したのは三回だった。連打で背負った無死二、三塁の大ピンチを最少失点でしのいだ場面。犠飛で1点を失ったが、なおも2死三塁で柳田との2度目の対決は遊飛に。今度はカーブでしっかり打ち取った。目の前で感じた若手の力投に、指揮官も目を細める。

 「見ていて頼もしかったし。いいボールいっているなって。(三回を)1点で粘れたのもよかった」

 何か、不思議な力が働いていたのかもしれない。宜野座キャンプに、監督の秘蔵っ子として大抜てき。先乗り自主トレ期間中から、約1カ月後の“この日”を思っていた。筑後ではない、ヤフオクドームで投げられる機会。スケジュールはチェック済みだった。

 「もし投げられるのなら、家族を招待したいですね」

 浜地の願いは、最高の形になって届けられる。駆けつけた母・智子さん。そしてプロ入り後、初めて投げているところを見せることができた祖父母へ。言葉にならない思いがあふれた。大観衆の中で、静かに見守ってくれた応援団。信じ抜いた42球に感謝を乗せた。

 そして矢野監督も次回の1軍登板を明言。「もっと決め球を意識してやっていきたい」と浜地。収穫は胸に、反省は糧に。故郷、家族が後押ししてくれたこのチャンスを、絶対につかみ取る。

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