梅ちゃんV打 苦悩の4日間…「お前が打てば勝てるんよ」能見の言葉に応えた

 お立ち台でポーズを決める梅野(左)と西
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 「阪神5-2中日」(14日、甲子園球場)

 お立ち台で帽子を取り、スタンドの最後列まで伝わるように右手を高々と挙げた。四方から降り注ぐ歓声を、体全体に取り込んだ阪神・梅野。「あさっても、勝つバイ!」。西と共に叫んだ最後の力強い宣言が、冷たい雨が降る聖地の大歓声を誘い、熱狂させた。

 ここぞという攻め時を逃さなかった。同点の四回1死一、二塁。「ファーストストライクから思い切っていこうと思って、積極的にいった」。初球、迷うことなく吉見の124キロのスライダーを振り抜いた。打球は二遊間を勢いよく破って、中前へ。その間に二塁走者の福留が一気に生還。一塁ベース上で、右拳を力強く握った。

 苦悩の4日間だった。10日のDeNA戦から4連敗。このままではいけない-。現状を打破するためにもいかにチームに貢献するのか。悩んでいた梅野の背中を押したのは、兄のように慕ってきた能見だった。

 12日・中日戦の試合前練習後。クラブハウスへ引き揚げる際、先輩左腕に「この2試合勝てなくて。悩んでます。どうしたらいいですかね」と胸中を吐露。難しい顔を浮かべる後輩に対して能見が出した答えは「お前が打てば勝てるんよ。そうやろ?打て」と一言。その言葉に応える一打で勝利に導いた。

 打撃だけではなく、守備でも貢献した。先発の西と息の合ったコンビネーションで試合の流れを作り、中継ぎ陣のジョンソンやドリスのワンバウンドを何度も止めた。「自分に甘えず、チームのために何とか守り続けることを目標にして頑張っている」。左足薬指を骨折して万全ではないものの、プレーに一切の緩みはない。

 16日からは首位・ヤクルトとの3連戦。生み出した勢いを消さず、梅野が縁の下の力持ちとして支えていく。

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