西 7回2失点111球粘投報われず「こういうゲームを続けていけばいつか勝てる」

 7回、追加点を許した西はメルセデスを打ち取ったものの座り込んで悔しがる
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 「阪神0-3巨人」(21日、甲子園球場)

 三塁のカバリングに走った阪神の西は、スコアボードに刻まれた「1」の数字を見つめた。六回まで巨人打線をわずか2安打に封じる好投。だが七回2死二塁から8番・山本に初球のスライダーを左中間に運ばれる。スタンドからは悲鳴と歓声が交錯した。「攻めた中で『クソッ』と思ったけど、最少失点で行けたので」。7回2失点。無援の背番号16を、誰も責めることはない。

 四回は運から見放された。無死一塁から野選と味方の悪送球が重なり、いったんは無死二、三塁で再開しかけたが、審判団が集まって協議し、三塁にいたビヤヌエバの生還がコールされた。嫌な流れで先制点を与えたが、「不運とは思っていない。自分たちのできることが、できなかった」と振り返った。

 ただ、その後の無死二塁と続いたピンチでは気持ちを切り替えた。亀井、ゲレーロを打ち取って2死。最後は大城を空振り三振に仕留めると、ガッツポーズ。球場に大歓声を巻き起こした。五回、六回はいずれも11球で三者凡退に。「自分でリズムを作りたかった」と反撃を信じ、ただひたすらマウンドで己の投球に集中した。反撃を信じて腕を振り続けた粘りの111球。降板後もベンチの最前列で声を張り上げた。

 それでも力投は報われず甲子園初黒星。試合後、西は七回の失点を振り返り「見ての通り。自分の責任」と悔しさを押し殺した。今季まだ巨人戦で勝ちがないチームだが「常に前を向くことが必要」と力を込めた。

 開幕投手を務めたメッセンジャーが登録を抹消され、ガルシアも2軍調整中。苦しい先発ローテの状況から、新加入右腕にかかる期待は大きくなる。「こういうゲームを続けていけば、いつか勝てる」。西は視線を落とすことなく前を向いた。

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