大山 七回みそぎ適時打も…十二回勝ち越し機で空振り三振
「交流戦、オリックス5-5阪神」(16日、京セラドーム大阪)
阪神は4番のバットで試合を動かした。終わってみれば4時間48分の死闘。昨夜のミスは、グラウンドで取り返す。5点を追う劣勢ムードの中で、大山が反撃ののろしを上げる適時二塁打を放った。
六回まで打線は、オリックス・田嶋の前に無安打に抑え込まれていた。それでも七回、息を吹き返す。無死一、二塁で迎えた第3打席。ここでオリックスも右腕・ディクソンに継投した。高まるムード。その初球だった。直球を捉えると、打球はきれいに右翼線を破った。主砲の一打で、まずは1点を返した。
昨夜のミスを取り返そうと必死だった。15日の同戦では、怠慢走塁で流れをストップ。最後はサヨナラ負けを喫し、試合後には指揮官から「残念でならん」と切り捨てられた。試合前練習では、メッセンジャーから声をかけられるなど、切り替えて臨んだ一戦でもあった。まだ発展途上の4番だ。矢野監督はこう、言葉を紡いだ。
「気持ちの部分でなんとかしたいっていうのは伝わってきた」
ただ、反省もある。同点の延長十二回には眼前で糸井が敬遠され、2死二、三塁の勝ち越し機を空振り三振で逸した。この日2本目の適時打は出ず、勝利を呼び込むことはできなかった。失敗と成功を胸に刻みながら、これからも成長を続けていく。今はまだ、その道の途中だ。