福留 九回2死から代打同点二塁打 イチロー&松井稼頭央に次ぐ500二塁打!

 9回、同点となる適時二塁打を放つ代打・福留
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 「交流戦、オリックス5-5阪神」(16日、京セラドーム大阪)

 土壇場から値千金の一打や!!阪神の福留孝介外野手(42)が、2点を追う九回2死一、二塁から代打で登場し、中越えの同点2点二塁打を放った。これで日米通算500二塁打となり、イチロー、松井稼頭央に次ぐ史上3人目の快挙を達成。パ・リーグ最下位球団に3タテを食らう危機を救った。「父の日」に頼もしい背中を見せたベテランが、交流戦最後のホーム6連戦も躍動してくれるはずだ。

 4時間48分の死闘へと持ち込む一撃で福留が金字塔を打ち立てた。日米通算500二塁打は劣勢ムードを打ち破る起死回生の同点打。勝ちきれなかったという悔しさはあるが、同一カード3連敗を阻止する引き分けに持ち込んだのも事実だ。

 持ち前の勝負強さを発揮したのは、2点を追う九回2死一、二塁。敗戦を目前にした危機的状況を矢野監督はベテランに託した。上本に代打・福留。カウント3-1から守護神・増井が投じた5球目、高めの直球を迷わず振り抜いた。快音を響かせた打球は、中堅後方のフェンスに直撃。執念の一打で試合を振り出しに戻した。

 チームを窮地から救う快音は、イチロー、松井稼頭央に次ぐ史上3人目のメモリアル二塁打となった。今季でプロ21年目を迎えた42歳。98年ドラフト逆指名で中日に入団し、夢を追って海も渡った。「長く続けてやっていれば、数字は後から付いてくる。積み重ねていければいい」と謙遜する。だが、地道に積み上げて新たな勲章を得た。

 ベテランの奮起に投手陣も応えた。何度もピンチを迎えたが、得点は許さず延長十二回の引き分けに持ち込んだ。「勝てればよかったんだけど。(同点打は)たまたま俺が打っただけ。周りの選手が踏ん張って、こういうゲームにしてくれた」と個人の結果よりも、チーム全員で最後まで戦い抜けたことを強調する。

 チームの大黒柱に矢野監督は「あの場面での集中力だったり。結果を出してくれるのはもちろんなんだけど。今日もね、(試合前練習中)外野で最後まで守ったんじゃない?スタメンで出ないのが分かっている中でも、そういう姿も見えていた」と勝負強さだけでなく、試合に臨む姿勢もたたえた。

 ベテランを筆頭にチーム一丸となり、屈辱の3連敗は阻止した。交流戦も残り2カード。18日からはパ・リーグの首位・楽天をホームで迎え撃つ。広島、巨人を追走するために、個人の記録よりも勝利に導く一本を打つ。それこそが、福留の求める境地だ。

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