阪神に新加入したヤンハービス・ソラーテ内野手（３２）＝前マーリンズ傘下３Ａ＝が２３日、甲子園での１軍練習に初参加した。フリー打撃では左右の打席で鋭い打球を連発。守備でも遊撃、二塁、一塁、左翼でノックを受け、万能ぶりを披露した。２４日は２軍練習試合、ＢＣ福井・ＢＣ富山選抜戦（鳴尾浜）に出場予定。矢野監督が視察に訪れる中で、早期１軍昇格をアピールする。

　午後２時過ぎ、初めて聖地の黒土を踏んだ。ソラーテの表情に自然と笑みが浮かぶ。「ここでプレーしていきたいと思ったよ」。メジャー通算７５本塁打の長打が最大の魅力だ。屋外フリー打撃では柵越え０本。それでも初日の練習を終え、たっぷり自信を漂わせた。

　「本当によかった。パーフェクトだ。２個のケージで打つ形も好きだしね。今日はボールの内側を強く打つことを意識したんだ」

　矢野監督らも見守る中、まず右投手相手に左打席へ。中前に３本の安打性の打球で調整すると、６球目にフルスイング。浜風吹く中、大きな弧を描いた打球は、右翼フェンス直撃打になった。続いて右打席、さらに左、右と１０本ずつ“おかわり”で計６６スイング。安打性１４本。左打者が苦しむ浜風も「気にならなかったよ」と頼もしかった。

　矢野監督も初日の打撃練習に、今後の可能性を感じ取った。「アベレージを残しながら、ツボに入れば長打も打てる。対応していけそうな打者だと思っていたが、その印象は変わらなかった」。何より期待したのは内外野をこなす守備力に、雰囲気を変えることができる存在感だ。

　「すごくハッスルしてくれるというか、ファンに喜んでもらえそう。走攻守で表面的に（闘志が）あふれる選手だと思う。そういうプラスもある」。ノックでは遊撃、二塁、一塁、左翼と場所を移して３９本受けた。軽快なグラブさばきに、正確な送球も際立っていた。

　練習の合間にはドリスや、ＤｅＮＡ・ロペスと談笑。「いい選択をした」と来日を祝福された。本人が実戦機会を希望し、２４日の２軍練習試合、ＢＣ福井・ＢＣ富山選抜戦に出場予定。矢野監督も視察して状態をチェックする。求められるのは救世主の役割。Ｖの使者として、早期１軍昇格を目指す。