「光司らしいヒット」近本両親も祝福 「決めたことやり通す」偉業の裏にこだわり有り

 「阪神3-2ヤクルト」(18日、甲子園球場)

 阪神・近本光司外野手(24)が球団の新人最多タイ13度目の猛打賞をマーク。今季153安打とし、長嶋茂雄(巨人)が1958年に樹立した新人最多安打のセ・リーグ記録に並んだ。

 家中に拍手と歓声が広がった。父・恵照さんと母・美晴さんは、淡路島にある自宅のテレビで153安打目を見届けた。恵照さんは「足で稼いだ光司らしいヒットでしたね。もう少しかかるかと思っていたんですが、長嶋茂雄さんの記録に並ぶことができてホッとしています。ここからもチームに貢献する一打を積み重ねていってもらいたい」と話した。

 偉大な記録へ少しずつ歩みを進めた息子の姿は、両親にとって異様な感覚だった。恵照さんは「歴代のすごい選手が残された記録の中に息子の名前を入れてもらえるのは不思議な感じ。新聞を見ていても記録表の中に『近本光司』という名前がある。それを見ながら同姓同名の人かなと思ったりもしました」と振り返る。

 大記録樹立の裏には、崩さなかった姿勢がある。兄弟の中でも一番のこだわりの強さだ。淡路島から大学へ通った2~4年生の3年間、朝食メニューは毎日同じだった。きなこ餅とキウイ。美晴さんは「体作りや疲労を回復させるためには、キウイが一番いいと調べてきて、その日から毎日。自分の決めたことは絶対にやり通す。お風呂上がりのストレッチも毎日1時間、欠かさずやっていました」と明かす。

 今回は自宅でのテレビ観戦となったが、球場まで足を運ぶことも多い。「プロになるまでは(観戦を)楽しんでいたけど、今は楽しめないですね。親の私たちもプレッシャーを感じてしまって。ハラハラです」と美晴さん。球史に名を刻む活躍をしても、両親の心配が尽きることはなさそうだ。

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