能見、虎ラストゲームの鳥谷へ「さみしさはある。でも、まだまだできる」
「阪神-中日」(30日、甲子園球場)
阪神の能見篤史投手が、今季限りで退団を表明した鳥谷敬内野手を惜別した。長くチームを支えたエースとキャプテン。2人の信頼、絆を投手最年長は、感謝の言葉に変えた。
いまは中継ぎとして活躍する能見は、3度、開幕投手を務めるなど、長くエースとしてチームを支えた。そんな時、振り返ればいつも鳥谷の姿があった。
「やっぱりね、“当たり前”ができるすごさが、トリのすごさだと思う。すごいことだよ。10年以上、ずっとショートを守り続けるというのは。いてもらうのが、当たり前になるくらい。そんなすごさがある」
試合前や試合中、捕手とのミーティングは、「どうやってショートに打たせるか」だった。チームを勝利に導くために、2人は高め合ってきた。「いろんなものを背負って戦ってきた選手だからね」。この日がレギュラーシーズン最終戦。全選手、スタッフらが鳥谷の背番号1が入ったTシャツを着て、サプライズで“最後の1日”を惜しんだ。
「(退団が)覆るものではないからね…。さみしさはある。でも、まだまだできる」
苦楽を共にした仲間との別れにさみしさはある。だが、ベテラン左腕は「いい意味で考えてね」と、来シーズンに思いをはせた。「これで対戦できる可能性も出てきたから」。能見VS鳥谷。2020年シーズンで、そんな真剣勝負が見られるだろうか。肌で鳥谷敬のすごさを見てきた男が、別れを惜しむように笑顔で対戦を心待ちにした。