【コーチに聞く・福原忍投手コーチ】来年は中継ぎ陣を先発陣にフォローしてもらう

 頼れる猛虎投手陣をけん引するのが福原忍投手コーチ(42)。選手の兄貴分として温かく見守り、指導者として厳しい視線を光らせる。15年ぶりのリーグ優勝を狙う来季に向け、現有戦力の底上げに不可欠だと位置付けたのは『責任感』の3文字だ。

  ◇  ◇

 優しい笑顔、厳しい笑顔で過ごした20日間の秋季キャンプ。福原投手コーチがノックバットを片手にいたずらそうに笑う。左右に振られる選手たち。3度行われたクロスカントリーでは、トレーニング中の選手の足を持ち上げて負荷をかけ、また笑った。

 若手主体の安芸キャンプに参加した投手は総勢17人。だが、1軍戦力を見極める意味合いが強くなる春季キャンプではそうはいかない。福原コーチは常に、厳しい言葉を投げかけていたという。

 「1軍には13人から14人。ベンチにはそれだけしか入れないよ」

 みんながライバルで、過去の実績より今が大事になる。福原コーチは「誰が頑張っているとか、個人名は出したくない」と口を結んだ。それでも、藤浪の復活はチームにとって大きな“補強”になる。

 プロ7年目で初めて未勝利に沈んだ1年。オープン戦で2軍再調整を志願し、そこから投げられない期間が1カ月余り続いた。2軍戦で結果を出し始めての1軍昇格を矢野監督に推薦したのは福原コーチだった。

「みんな持っているものは認めている。あとはどれだけ自信を持ってやれるのか」

 今季唯一の1軍登板となった8月1日の中日戦は、4回1/3を1失点ながら8四死球。結果で示すことはできなかったが、フェニックス・リーグでは中継ぎから出直し。安芸キャンプでは山本昌氏からルーティンのススメを受けた。キャンプ終盤に福原コーチは「今がどん底。あとは上がるだけ」と右腕の復活に期待を寄せた。

 最大6・5差を逆転してつかんだCS進出。チームを支えたのは中継ぎ陣だった。今季途中から藤川が守護神を担って16セーブ。CSでは2イニング続投を志願するなど、抑えとしての責任感があった。伝わる藤川の覚悟。来季についても「他に誰がいる?なんとかして勝ちで終わらせようとしてくれている。その気持ちに今年のチームは救われたから」と信頼を寄せた。

 自覚と覚悟が責任感へ変わる。福原コーチは先発陣に『責任』という言葉を投げかける。「理想は先発が完投、完封すること。投げた試合は投げきる。責任持って投げてもらわないと。そういう気持ちは忘れてほしくない」。今一度問いかけたのは、先発としての自覚だった。

 福原コーチは来季を見つめて不敵に笑った。「来年は中継ぎ陣を先発陣にフォローしてもらいます」-。助け、協力し合いながらつなぐ勝利のバトン。最高の笑顔で秋を迎える。

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