大山、フルイニング宣言 ボーアと4番争い&マルテと三塁争い「勝っていかないと」

 阪神の大山悠輔内野手(24)が5日、来季のフルイニング出場を誓った。兵庫県西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1700万円増の4700万円でサイン。3年目の今季は初めて規定打席に到達し、全試合出場も経験した。来季はさらなる飛躍へ。虎の4番として経験した今季の壁を、来季は乗り越えていく。(金額は推定)

 真っすぐな瞳で見つめた。今季の壁を必ず越えるために。来季の目標を問われた大山は「143試合、フルイニング出場です。今年以上、出られるようにレベルアップしていきたい」ときっぱり答えた。今季の成績に満足はしていない。ただ、ネガティブな言葉ばかりは並べなかった。4番としての経験を糧にする。

 苦しい時間の方が、胸には深く刻まれていた。背負ったのは、阪神の4番としての重責だ。目標にしていた規定打席、全試合出場はクリアしたが「自分の成績が勝敗に関わる。大事な打順を打っていたんだと感じました」と悔しさばかりが言葉になった。4番で開幕から108試合に出場。8月に4番降格を経験するなど、難しさや悔しさも知った。

 ベンチから、声を張り上げることしかできなかった。4月12日の中日戦(甲子園)。満塁の好機で三ゴロに倒れ、そのまま途中交代。「応援することしかできなかったけど、やっぱり悔しさはあった。その気持ちは忘れてはいけないなと」。ベンチからの“景色”を目に焼き付けた。

 来季は競争に勝ち抜き、自らの居場所をつくる。球団は新外国人のジャスティン・ボーア内野手(31)=前エンゼルス=と契約合意。4番候補のボーアは一塁手として起用される見込みで、大山とマルテの三塁争いが勃発する。「そこはしっかり勝っていかないといけない」と簡単には譲らない覚悟はできている。

 夏場には肉体的にしんどさを感じた日もあり、落ち込む成績にうつむく日もあった。思い知ったのは、全試合出場を続けることの難しさだ。フルイニング出場は「鉄人」と呼ばれた金本や鳥谷らが成し遂げてきた偉業。特に鳥谷とは3年間同じ場所、同じ時間を過ごしてきた。「試合前も、試合後も準備を大切にされていた」と追いかける背中は見えている。

 一日ずつ積み上げてきた、143試合分の経験。改めて実感したのは、殊勲打の重要性だった。先制打や同点打、勝ち越し打。「点が欲しいときに打てる、勝負強い選手になりたい」。チームの「軸」になると誓った今シーズン。強い思いは、来季も続いていく。

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