上本 打率10割の気持ち 恩師・中井監督猛ゲキに強い決意

 野球教室でバットの振り方を指導する上本。中央奥は俊介
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 阪神の上本博紀内野手(33)が29日、母校・広陵(広島)の野球教室に参加し、来季の定位置奪取を誓った。恩師の中井哲之監督(57)からも、今季先発14試合に終わった教え子に「もう一回、レギュラーを奪い取ってほしい」とエールが送られた。来季でプロ11年目。“打率10割”の強い気持ちで応えていく。

 長い、長い坂道を上がると見えてくる。懐かしいグラウンド。上本にとって、広陵で過ごした時間は原点だ。恩師の中井監督から猛ゲキを受け、静かにうなずく。「(打率)10割目指すくらいの気持ちで頑張ります!!」。恩師と教え子…男と男の約束だった。

 「スタメンに名前がないと寂しいよ。もう一回レギュラーを奪い取ってほしい。強い意志を持ってやらないと、実現しないからな」

 恩師が願ったのは、二塁の定位置奪還だった。今季は62試合の出場にとどまり、先発出場した試合は14度のみ。夏場には不振から2軍降格も経験するなど、キャリアワーストの打率・192に終わった。「先生のためにも、自分のためにも頑張りたい」。同じ悔しさは繰り返さない。来季は必ず、巻き返す。

 熱い思いは、上本自身を突き動かした。33歳-志願の秋季キャンプ完走。「限界に挑戦してきます」-。中井監督に告げたというのは、強い覚悟だった。若手選手と同じメニューを消化し、暗くなるまでバットを振り込む。来季の居場所は約束されていない。だからこそ、上本は一生懸命だった。

 この日の野球教室で子どもたちに伝えたのは、うまくなりたいという心。気持ちでもある。「普通ではダメ、とんでもない結果を出さないと。レギュラーを取るって、それくらい難しいことだから」。1月上旬からは自主トレも開始する予定。中井監督からのゲキに“10割”で応える。強い気持ちで前へ。男と男の約束を果たす。

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