佐藤義則氏が“藤浪の今”分析 改善点あえて挙げるなら「スパイク幅2足分の修正」

 藤浪の投球フォーム
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 デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(65)が、阪神春季キャンプの第3クールを視察した。昨年未勝利からの復活を目指す藤浪晋太郎投手(25)のブルペン、練習試合登板をつぶさに見る中で、“藤浪の今”を分析する。

  ◇  ◇

 16日の楽天との練習試合(宜野座)に登板した藤浪は、抜けた球もあったが、150キロのスピードボールを投げられていたし、ストライクも取れていた。最低限のことはできている、という印象だった。

 ただ、メカニック的なことについては、改善の余地があることも確かだ。始動した際に、右手がかなり、背後に回る。腕が横振りになっており、右肘が出てくるのが遅いため、間に合わせようと腕力に頼ったフォームになっている。体重が腰の上に乗っていない。こうした特徴が見られた。

 これはすべて、左足を出す方向が極端に三塁ベース寄りとなる、クロスステップから起因するものだ。捕手方向に真っすぐ、というのはすぐには難しいだろうが、せめてスパイク幅2足分の修正ができるなら、腰の上に重心を置きつつ、前方への体重移動ができる。そこで体を縦回転させられるため、今の球速をもっと楽に、腕力を使わずに出すことができる。楽に投げられれば、しかも縦回転ができれば、疲れて球がすっぽ抜けるという現象が大幅に減る。

 さらに、短い距離の送球も今は全力で投げないと不安なようだが、このステップを覚えることで、スムーズに、体の前で肘を使えるようになるため、スナップスローの精度を上げることができる。マウンドにステップすべき方向の線を引いて投げる、クロスステップしづらい遠投を練習に多く入れる、などの工夫で改善できるだろう。

 ただし、『正しいフォーム』という観点ではそうなのだが「じゃあ、変えなさい」とは言いづらい。最初に書いたが、最低限の投球は今でもできている。2桁勝った経験もある。右打者に対しては、恐怖心が出るクロスステップの方がいいフォームで、きれいな球より効果的かもしれない。そこは、本人がどうしたい、どうなりたいと考えているのか。まずはそれを優先させて、継続か変化かを選ばせることが大切だろう。

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