阪神のベテラン岩田稔投手（３６）が２８日、１軍に合流した。甲子園での全体練習に参加し、１学年上の中田とキャッチボール。ブルペンにも入り、２９日・ソフトバンク戦（ペイペイ）登板へ準備を整えた。

　「しっかりやるだけです。頑張り過ぎないように…、役割をしっかりできるように」

　練習後のコメントは控えめだが、仕上がりは万全だ。春季キャンプは安芸の２軍でマイペース調整を進め、１９日の２軍練習試合・西武戦（安芸）では２回無失点と好投。参加メンバー最年長として、若手の模範となってきた。

　「最初からやりたいように任せてもらって練習できました。後輩たちも見ているので。背中を見られている意識で、自覚を持ってやっていました。いろいろ話もしましたよ」

　若手の手本を心掛けるだけでなく、自らの技術も磨いてきた。キャンプでは臨時コーチを務めた同じ左腕の山本昌氏からスクリューを教わり「打者に投げていないので、試してみたいです」と新球解禁にも意欲を示す。

　開幕ローテは西勇、青柳、高橋、ガンケルまでが当確。残り２枠を岩貞、秋山、藤浪らが争う中、岩田にも十分チャンスはある。ブルペンを視察した矢野監督からも「しっかり投げられていた。まだ決まっていないローテーションがあるので、そこを競争してもらおうと来てもらっている」と期待をかけられた。

　昨季は１４試合に先発し、３勝４敗、防御率４・５２。「しっかりと結果を残していかないといけないと思っている」と岩田。鮮やかな一発快投で、逆転ローテ入りを射止める。