阪神・球児、圧巻3者連続K 68日ぶり実戦も火の玉健在

 「阪神紅白戦、白組3-0紅組」(29日、甲子園球場)

 阪神の藤川球児投手(39)が29日、集合練習再開後初の紅白戦で、3者連続三振を奪う快投を見せた。北條、高山、マルテの中軸を相手に完璧な投球内容。3月22日の中日との2軍練習試合(ナゴヤ)以来、68日ぶりとなった実戦マウンドで“火の玉”健在を証明した。6月19日の開幕に向けて視界は良好だ。

 無観客の甲子園球場。甲高い捕手のミット音に続き、藤川の絶叫が銀傘にこだました。周囲を感嘆させた3者連続三振の完成を、ぼう然と打席で見送るマルテに笑みを向ける。「ヨシッ、ストライク!!」。全17球の“再スター投”。シーズン開幕に向け視界は良好だ。

 「きょうは無観客試合の練習だと思っていた。ファンの方々がスタンドにいない環境で、試合に入り込む気持ちの確認と、ボールの精度を高めることを課題にしていました」

 五回、先頭の北條を簡単に追い込むと、低めのフォークで空振り三振に。続く高山はインハイの144キロで空振り三振に斬った。最後はマルテに対して、カウント1-2からフォークを選択。抜群の制球力で見逃し三振を奪った。

 実戦は3月22日の中日との2軍戦以来。そんな状況下でもブランクを感じさせない。リハーサルに見せぬ投球内容は、無念の高校球児を思う姿もあるだろう。夏の甲子園大会中止決定後、聖地で初めて行われた実戦。21日、藤川は強い覚悟を明かしていた。

 「聖地と言われるところで野球をさせてもらってることを、かみしめるように練習させてもらっています」

 そんな言葉を体現する17球でもあった。プロ22年目、日米通算250セーブもあと「7」に迫る。見守った矢野監督の信頼も不変だった。「楽しそうに充実した感じで、躍動感がある投球だった。頼もしく見ていましたね」。球威やキレ、制球と申し分ない内容に、全幅の信頼を寄せる。

 開幕まで3週間を切った。藤川も収穫を口にする。「試合に向けたメンタルも上がってきていると確認できた。本番に向けていい練習ができたと思います」。本質が問われるシーズンと位置付け、野球で感動と興奮を届ける覚悟を口にする。虎が誇る絶対的守護神に、死角は見当たらない。

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