阪神・ボーア、お待たせ1号 浜風切り裂いた!V2ラン 矢野監督「らしいパワー」

 「練習試合、阪神3-2広島」(2日、甲子園球場)

 プロ野球は2日、首都圏と関西で練習試合6試合を無観客で再開し、新型コロナウイルスの影響で今月19日に延期されたセ、パ両リーグの開幕に向けた調整が本格的にスタートした。阪神は甲子園で広島と対戦。ジャスティン・ボーア内野手(32)に待望の来日“1号”が飛び出した。四回、強い浜風を切り裂く先制の右越え2ランで3月25日以来の対外試合を勝利に導いた。巨人との開幕カードへ向け、期待の大砲がようやくお目覚めだ!

 大砲から目覚めの一撃が飛び出した。鋭いスイングと無人のスタンドに響く快音。強い浜風を切り裂く打球の行方は誰しもが確信した。“来日初アーチ”を放ったボーア。聖地のダイヤモンドを心地よさそうに一周し、仲間からメジャー流の「サイレント・トリートメント」で祝福された。

 「まだシーズンに入っていないんですけど、それでも日本で初めて、甲子園でも初めてホームランを打ったのですごく良かった」

 待望の一発は四回に飛び出した。無死一塁で迎えた第2打席。2番手・藤井皓がカウント1-2から投じた4球目、高めに浮いた直球をコンパクトに振り抜いた。

 打球は高々と舞い上がり、楽々と右翼席に届く先制2ラン。「みんな楽しんでいて良かった」。一塁ベンチに戻ると最初は矢野監督をはじめナインも無反応だったが、時間差で歓声が沸き上がり、一斉に祝福を受けた。

 メジャー通算92発の助っ人。4番候補として期待されていたが、この試合前まで対外試合15試合、37打席ノーアーチと本領を発揮できていなかった。「自分の能力を信じていれば必ず打てる」。その言葉通りに焦らず、調整を進めて豪快な一発を披露した。

 納得のアーチを放っても、気の緩みは一切ない。3打席で交代する予定だったが、打席にできる影の確認と二ゴロに倒れた3打席目に課題を残し、4打席目を志願。結果は空振り三振に終わったが、「一度、(影を)見ておきたかった」と収穫は十分だ。

 矢野監督は「ボーアらしいパワーで、あそこまでの浜風にもかかわらず、あそこまで持っていくのは期待しているところなんでね。本人も、何とかやっていこうという姿勢を練習から見せてくれている」とひたむきに取り組み、結果を残した主砲を高く評価した。

 本番が始まるのは19日。「今日はファンがいなかったけど、自分の中で4万人ぐらいのファンに囲まれて走ることをイメージしながら走った。ファンがいる時にホームランが打てたらいい」。チームのため、そしてファンに勇姿を届けるために-。ボーアは最後の仕上げを進める。

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