阪神・岩貞 大雨被害…故郷・熊本に届ける初白星 6回6K3失点

 広島打線を封じ込める岩貞(代表撮影)
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 「広島3-9阪神」(4日、マツダスタジアム)

 無心で腕を振る。長く低迷するチームを鼓舞し、甚大な被害に遭った故郷熊本にささぐ1勝。相手が苦手の広島、強力打線でも、阪神の岩貞は屈しなかった。

 初回、マルテの2ランで先制。「思い切って腕を振っていくことだけを考えた」と、真っ向勝負で上位打線を三者凡退に抑えた。この日はチェンジアップではなく、フォークを決め球にした配球で幻惑。梅野との初コンビで6三振を奪った。

 だが、5点リードの六回だ。上本の中前打から西川、鈴木誠の連続長打で2失点。さらに2死後、メヒアに左前適時打を浴びた。矢野監督もこの3点目を指摘し、本人も「大いに反省しなければいけない」と悔やんだが、最後は田中広をフォークで空振り三振に。必死に耐えた90球だった。

 「球磨(くま)川が氾濫しているニュースを見ました。心配というのが第一ですね」。4日未明、九州南部を中心に大雨特別警報が発令された。道路は冠水し、河川は氾濫。死者、行方不明者も出た。土砂災害による危険はなお続く。故郷がまたも甚大な被害を受けている。

 2016年の熊本地震後、復興支援を続けてきた。今季も、熊本の少年野球チームなどに公式戦1勝につき、10万円または同額相当の野球道具を寄贈する予定。「地震の時もそうですが、いまがピークじゃない。これ以上、被害が出ないように」と、祈りとエールを込めた今季初勝利だ。

 6回を9安打3失点。4度目の対決で、初めて大瀬良に投げ勝った。「そこは僕も思っていた」と意識する相手。同期で共に九州出身の2人。13年度のドラフトでは抽選で大瀬良を外し、岩貞が外れ1位で阪神に入団した経緯もあった。ライバル対決を制し、苦手広島から奪った1勝。下克上はここから始まる。

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