【新井貴浩氏の眼】阪神打線、力のある真っすぐを打ち返せれば“本物”
「広島3-8阪神」(5日、マツダスタジアム)
阪神打線は開幕当初のなかなか得点能力が上がらなかった状態からは脱しつつある。しかし、この日の試合を見ても、まだ本物と言い切れないのは、広島先発・遠藤の真っすぐに各打者とも差し込まれていたからだ。
大山、ボーア、サンズの本塁打はすべて変化球を捉えたものだった。しかも変化球を狙って打ったのではなく、真っすぐを待っていて、変化球にタイミングが合ったという印象だ。遠藤が真っすぐで押してきていたら、果たしてここまで点を取れていたかどうか。
打者の基本中の基本は、速くて力のある真っすぐをいかに打ち返せるかというところにある。阪神打線に関しても、各打者が力のある真っすぐに反応良くスイングできるようになってくれば、もう一段階、上にいける。
ボーアも同じ。もともと変化球を打つのはうまい選手で、バットコントロールができてヘッドを柔らかく使うこともできる。あとは打席を重ねることで日本の投手、配球に慣れ、力のある真っすぐを仕留められるようになれば、本来の力を発揮できるだろう。