阪神・藤浪 1軍グイッと!5回無安打0封 矢野監督「選択肢に十分なる」
「ウエスタン、中日0-2阪神」(5日、ナゴヤ球場)
1軍復帰が見えてきた。軽度の右胸筋挫傷からの完全復活を目指す阪神・藤浪晋太郎投手(26)が5日、ウエスタン・中日戦(ナゴヤ)で先発し、今季最長の5回を無安打無失点と好投。2軍で“今季初勝利”を飾り、トレーナー管轄から外れることも決定した。広島で一報を聞いた矢野燿大監督(51)も、昇格候補として大いに期待していることを明かした。
打たれる気配は全くなかった。藤浪が無安打投球を展開し、若竜打線をきりきり舞いさせた。今季最長の5回を投げ、許した安打はゼロ。与四球2で計64球とテンポも抜群。背番号19が本格的に逆襲モードへと突入した。
「全体的には再現性が高まってきて、安定して投げられてはきている。長い回でどう投球していくか(確認)できたというか、収穫はあったと思います」
早打ちの打線を相手に球数も少なく、毎回の6奪三振は全て空振りだ。初回は先頭の岡林を150キロ直球で3球三振。二回の石川昂と三回の石橋は直球、四回のシエラはスライダーでバットに空を切らせた。五回は角度のある139キロフォークを石川昂と石岡への決め球に選択し、完全に封じた。
文句の付けようがない投球だったが、藤浪は課題点にも言及。「欲を言えば、スライダーが自分の感触の中でですけど、もうちょっと切れてほしい」。今後は思い描く球のイメージと感覚をすり合わせ、ブルペンで良化を図る。
平田2軍監督は「抜け球も1球もなく、完璧に近い」と絶賛。練習遅刻による2軍降格や故障と多難が重なったが、遅れを取り戻そうと「今年に懸ける意気込みもあるやろうし、ファームで一番ブルペンに入っていたよ」と藤浪の姿勢を振り返り、目尻を下げた。
広島で藤浪の好投を耳にした矢野監督も「しっかりした内容のピッチングであれば、こちらも上げようという選択肢に十分なる。(好投を)続けてくれれば」と先発候補として前向きに検討することを示唆した。
次回先発は14日からのウエスタン・オリックス3連戦(オセアンBS)が濃厚だが、場合によっては1軍に緊急昇格する可能性も出てきた。「ファームでこれぐらいしっかり抑えないと1軍でも通用しない。継続していけるように」と藤浪。目指す舞台は、完全に視界に捉えつつある。