“アメヤギ”ようやった!阪神・青柳2勝目 2度登板流れてもキッチリ5回2失点完投

 「阪神3-2DeNA」(10日、甲子園球場)

 ぬかるむマウンドで足を滑らせた後だ。スタンドから「青柳、頑張れ!」の声が届く。3度目の土が入れられた五回には、自然と「あと1人コール」が湧いた。阪神・青柳は5回を投げ4安打2失点で2勝目。チームを4連勝に導いた。284日ぶりの有観客試合で雨中の熱投だ。

 2点リードで迎えた五回、次第に強まる雨脚。1死から柴田を四球で歩かせると、代打・神里の一ゴロの間に2死二塁。続く梶谷には三遊間を破られ、1点差まで迫られた。福原投手コーチがタイムを取り、マウンドの土の入れ替えを要求。整備の間にファンがメガホンを叩き始めた。

 「声援のおかげで三振を取ることができました。『ここ頑張れ』という声も聞こえて、励みになりましたね」

 普段ならリードして迎える最終回、2死後に見られる「あと1人」のコール。最後はソトに粘られながら8球目、外角低めのスライダーで空振り三振を奪う。ベンチに戻る途中、ふとスタンドを見上げる。「当たり前だった」光景がようやく戻ってきた。ファンと戦うプロ野球の力を肌で感じ、プロ投手の誇りを示したマウンド。自然と笑みがこぼれた。

 らしさ全開の登板だ。昨季は5試合中止のうち、3試合が青柳の登板日。今回も登板予定だった7日・巨人戦が雨で流れると、スライド予定だった8日の同戦も雨天中止。中9日で迎えたこの日のマウンドも雨だった。野手には「やめてくれ」と言われながら、15個のうち11個がゴロアウト。「スタイルを貫きました」と笑った。

 記録上、自身2度目の完投勝利。登板3戦2勝で防御率1・59と安定感が光る。「いい流れできているので、チームが勝つことが一番。どんどん勝てるように頑張りたい」。次回は中5日で16日・ヤクルト戦登板が予想される。下克上はここからだ。梅雨にも負けない“アメヤギ”が、フル回転で逆襲の旗手を担う。

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