「阪神２－４ＤｅＮＡ」（１１日、甲子園球場）

　阪神・西勇の投球を表現するなら「見ていて面白い」と、絶賛したい。ボール自体は、手も足も出ないものではなく、むしろ平凡。ところがピッチャーの最も大事な基本である、徹底して低めに集めることができるため、簡単には点を取られない。

　試合中、次はどの球を、どこに持っていくのか、興味津々で見ていられる、プロにあっても数少ないピッチャーではないか。

　ＤｅＮＡの今永もボーアに一発浴びたとはいえ、悪いピッチングではなかった。ファンも、見どころのある投手戦として、楽しめたと思う。

　ファンの楽しみとは別で、低めという基本を守り続けながら、両サイドを攻められるピッチングは、最高のサンプルとして阪神の若手ピッチャーたちには大いに参考にしてもらいたい。

　西勇の投球を掘り下げて、何かを感じることで、チーム全体のレベルが上がる、それくらい妙味のあるピッチングだった。