阪神・矢野監督「孝介がやってくれたのはうれしい」逆転勝利に興奮隠せず
「阪神6-4ヤクルト」(16日、甲子園球場)
阪神の矢野燿大監督が、大胆な攻めの采配でヤクルトに逆転を収めた。4カード連続の勝ち越しで5位に再浮上。4位・中日にもゲーム差0に迫っている。
序盤、3点のビハインドを背負う苦しい展開。矢野監督は五回、1死の場面で今季初めて近本に代打を送った。打席に入った陽川は右飛に倒れると、そのまま中堅に起用。プロ7年目で初めてセンターを守った。
さらに1点差に迫った六回、2死一、二塁の好機で、代打・福留を起用。采配的中で同点とすると、今度は福留を中堅に指名した。2014年以来6年ぶりとなったが、矢野監督は全幅の信頼を寄せていた。
「もう孝介は経験もありますし、年齢は重ねましたけど、ポジションはどこでもできるので。そういうところで、孝介で勝負しようと。うまいから、そういうのも想像しながらこっちも準備していたので、心配なくね」
攻めの采配が奏功し、八回には福留の決勝2ランが飛び出す。開幕からなかなか調子が上がらなかった43歳。それでも、勝負所での活躍が光ったベテランに、指揮官も興奮を隠せなかった。
「孝介もスタメンからちょっと外れて悔しい思いしていますし。球場にも一番に来て、体を動かしてランニングをしたり、2軍の試合にも自分から行くと言ってね。そういう本当のプロの気持ち、背中を見せてくれるんでね。そういう選手がいてくれるのはチーム全体に(とっていい)。きょうはミスもあったのでね、そういうところも払ってくれて、孝介がやってくれたっていうのは、うれしいです」
17日からは4位・中日との3連戦。青柳の先発が予定されているが、指揮官は「きょうの勝ちが明日につながると思うんでね。全員で勝ちに行きます」と、一丸野球で連勝を伸ばしていく覚悟を示した。