阪神 プロ野球界の「高橋」=遥人に 悔しかった昨年同期・高橋礼の活躍

 「阪神11-0巨人」(6日、甲子園球場)

 昨年の11月6日。全国ネットのテレビ中継で、アナウンサーが「高橋」の名を連呼する。耳に留まる絶叫を聞きながら、阪神の高橋遥人は悔しそうにつぶやいた。

 「僕、同級生なんですよ。どうしてこんなにも差がついちゃったんですかね」

 プレミア12の第1R・プエルトリコ戦。テレビ画面には日の丸を背負い、躍動する高橋礼(ソフトバンク)の姿が映っていた。同年、シーズンでは12勝を挙げたサブマリン。初の国際大会でも、6回1安打無失点と結果を残し、最終的にチームの世界一に貢献した。

 東都大学野球リーグでしのぎを削った同い年で、共にドラフト2位の同期入団。同じ「高橋」の飛躍的な活躍に、悔しさがにじみ出たのだろう。遥人と言えば繊細で、物静かな印象。まだあどけなさの残る24歳だが、野球になれば違った側面を見せる。強いライバル心は、他チームのエースにも及んだ。

 「直球の球速が同じくらいで、同じ球種もある。なのに僕はどうして抑えられないのか。悔しさはありますよね」。DeNA・今永は130キロ台のチェンジアップが決め球。中日・大野雄も130キロ台のツーシームを代名詞にする。エースを張る両左腕の武器は、遥人の持ち球でもある。勝ちたかった。

 今季初先発で、聖地に残した衝撃の記憶と記録。笑みすら見せない111球に、3年目に懸ける覚悟を見た。投げられない悔しさを反骨心に、あふれ出る負けん気を向上心に変え、懸命に過ごしたリハビリ生活。プロ野球界の「高橋」=遥人。そんな近未来を予感させるG封だった。(デイリースポーツ・田中政行)

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