阪神・高橋 Gぶった斬り!7回3安打0封、自己最多11Kで349日ぶり白星

 低い姿勢から力強く投げ込む先発の高橋
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 「阪神11-0巨人」(6日、甲子園球場)

 ホンマに…こんな試合が見たかったんや!!阪神は2桁得点&今季初の完封勝利で宿敵・巨人に一矢報いた。左肩のコンディション不良から1軍復帰を果たした高橋遥人投手(24)が、7回3安打無失点、11奪三振の快投で今季初勝利。チームの連敗を見事に止めた“救世主”が、次代のエース候補として虎を引っ張っていく。

 スタンドの声援は歓声に、次第に絶叫へと昇華した。鬼気迫る表情で巨人打線に挑み、息詰まる熱投で衝撃を残した111球。高橋が帰ってきた。「幸せ」感じる復帰登板で、チームの連敗を止める殊勲の1勝。矢野監督が「まだか、まだか」と欲した左のエースがついに帰ってきた。

 「ずっと期待していただいている中で、ケガをして離脱してしまったので。絶対に抑えるぞという強い気持ちでしたけど、めっちゃ緊張していました」

 301日ぶりの公式戦登板。序盤から圧巻の奪三振ショーで、連敗に沈むチームを鼓舞した。初回、「拓己をアウトに取れたのは大きかった」と亜大時代の同級生で、先頭の北村を空振り三振に斬る。2死からは丸のバットにもかすらせなかった。続く二回は4番・岡本に真っ向勝負。最後はツーシームで空振り三振に仕留めた。

 飛躍を期待された昨季、2年目シーズン。5月の昇格からローテを守ったが、3勝9敗と黒星が先行した。夏場、わらにもすがる思いの中で、一冊の本に出会った。各界で功績を残した偉人の名言集。シドニー五輪の金メダリスト、高橋尚子の言葉が胸に刺さった。

 「結果なんて気にしなくていい。走れるだけで幸せじゃない」

 1年目、左肩のコンディション不良で、6月に戦線を離脱した。投げることさえできない、悔しい日々がよみがえる。マウンドに立ち、勝って喜び、負けて悔しがれる大切さを知った。再び出遅れた3年目シーズン。「投げられるだけで幸せ」と言い聞かせ、苦しいリハビリ生活に耐えた。いまでも登板前には必ず読み返す原点だ。

 そんな幸せを求める日々は、感謝を届ける毎日でもある。昨年8月。試合後に2軍降格を告げられ、人知れず涙する仲間の姿を見た。「1軍で投げるのは当たり前じゃないんだと。みんな命を懸けて戦っている」。苦しい時に思い出す。限られた人しか立てない世界で、一握りの人間がしのぎを削る舞台。覚悟が飛躍を後押しした。

 マウンドでは最後まで笑みを見せなかった。七回、ウィーラーの鋭い打球には足を出して防ごうとした。勝利の執念が7回3安打0封、自己最多11奪三振の結果に変わる。リハビリ中に書き始めた日記。349日ぶりに勝利した一日は「ナイスピッチ」と書いて終わる。まだ1勝。伝統の一戦で放った輝きが、真夏の逆襲に向けた光になる。

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