【新井貴浩氏の眼】逆転勝利を呼び込んだ阪神・近本

 「DeNA6-7阪神」(12日、横浜スタジアム)

 逆転を呼んだポイントは阪神・近本だ。2点ビハインドの四回無死一、二塁から植田がバスター、青柳が犠打をそれぞれ失敗して2死となった。このまま得点できずに攻撃が終われば、DeNAに流れを持って行かれかねない中で出た近本のタイムリーが、中谷の逆転3ランとサンズのソロ本塁打を呼び込んだといっていい。

 打撃に苦しんだ時期もあったが、最近は近本の原点でもある『自分のスイング』ができるポイントを分かっており、ボールに対して思い切って振れている。元々、力がある選手。さらに“考えることができる選手”でもある。

 故にシーズン序盤は、相手投手からどう攻められるかといった配球などについて考えすぎていたのではないか。打順に対しても同様だ。近本の長所でもあるが、いろんなことを敏感に感じ取れる。2番で出場するときは、多くのことを考えながら打席に入っていたように映った。

 矢野監督には今も将来的に『2番=近本』という構想があるだろう。その中で、今は近本の状態を最優先に考え1番で起用している。本人に塁に出るということをフォーカスさせていることが、良い結果となって出ているのだ。

 また、テクニカルな部分ではグリップの位置が開幕時より低く、リラックスして打席に臨めている。シーズン序盤は甘いボールを見逃したり打ち損じたりしていたが、今はシンプルに“原点”でもある自分のスイングでボールを捉えることができている。

 また、忘れてはいけないのが先発・青柳だ。前回先発した7日の広島戦は3回で交代したとはいえ81球投げている。加えて暑い時期での中4日調整。右の変則投手だが、魅力は球威のあるボールでゴロを打たせる投球。疲れもある中で我慢しながら試合を作った。ベンチからの信頼度もワンランク上がる内容だった。

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