阪神・中谷、逆転V3ラン 自身の適時失策汚名返上!四回一挙5点劇主役

 「DeNA6-7阪神」(12日、横浜スタジアム)

 代打の神様なんか言うたらアカンよ!!阪神は四回にプロ入り初めて2番でスタメン起用された中谷将大外野手(27)が、逆転の2号3ランを放ち5カードぶりの勝ち越しを呼んだ。今季、チームは水曜日に5敗1分けと未勝利だったが、負の連鎖に終止符を打ち、3位に浮上。35年前のこの日、日航ジャンボ機墜落事故で他界した中埜肇球団社長にささげる白星を呼び込んだ。

 絶対にミスを取り返す。思いを乗せた一撃が、左翼席に飛び込んだ。10年目にして初の2番に座った中谷が決勝の2号3ラン。開幕以降、水曜日の試合は5敗1分けで一度も白星がない中で迎えた一戦。“魔の水曜日”で今季初勝利へ導く、最高の放物線を描いた。

 「結果を残すことだけを考え、一球一球後悔のないようにプレーしようと思ってやりました」

 四回、近本の右前適時打で1点差に迫り、なおも2死一、二塁で迎えた第3打席。1ボールから浜口が投じた真ん中のチェンジアップを強振。逆転3ランを左翼席にたたき込み、ベンチに戻ると最高の笑顔を見せた。

 初回は守備でミスがあった。1死二、三塁で青柳が佐野に右前適時打を浴びた。ここで打球を処理しようとした右翼・中谷が痛恨のファンブル。適時失策となり、一気に2点のビハインドを背負った。それでも「ヤギ(青柳)、取り返すからな」-。挽回したかったのは自身のミスだけではなかった。

 ベンチ前で円陣を組んで迎えた四回、無死一、二塁と好機を作ったが植田が初球バスターに失敗して捕邪飛。続く青柳も一塁正面にバントを転がしてしまい、三塁フォースアウト。試合の流れを呼び込むどころか、相手に渡しかけた。

 それでも近本がつなぎ、中谷が全てのミスを帳消しとする一発。今年は7年ぶりに春季キャンプを2軍で迎えた。忘れられないのは安芸ドームの特打だ。常に練習再開の合図として流れたBGMは、アントニオ猪木の代名詞とも言える「炎のファイター」。仕掛け人は北川2軍打撃コーチだ。メロディーが流れると「やばい」などと漏らしつつも、必死に振り込んだ。朝から晩まで振った数は毎日1000スイング近く。流した汗を絶対に、無駄にしたくなかった。

 5カードぶりの勝ち越しで、チームを3位に押し上げる活躍だ。8月は月間打率・500、2本塁打、10打点。代打稼業で結果を残し、つかんだスタメンの舞台で輝いた中谷が、これからもチームを救う一打を放つ。

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