阪神・ロハスはまるでオマリー ミート力抜群!藤田平氏が徹底チェック
デイリースポーツ評論家の藤田平氏(73)が阪神の新外国人、メル・ロハス・ジュニア外野手(30)=前韓国・KT=の打撃を徹底チェックした。韓国時代の本塁打を中心にしたプレー集を映像で確認し、長打力だけでなく抜群のミート力を併せ持つことから、かつての優良助っ人、トーマス・オマリー氏(60)と重ねた。また新型コロナ再拡大の影響で、2月1日からのキャンプに間に合わない見通しだが、問題なしと強調した。
“ホームランバッターではないホームランバッター”という表現が適しているだろうか。韓国時代の打撃を見ると、ミートのうまい一発が打てる打者だ。阪神で活躍したオマリーに似た所がある。
ただ打ち方やフォームに関してはオマリーと違う。似ている特徴は、バットを振り回すのではなく、ミートすることで本塁打にできる打者という点だ。このようなタイプは、同時に打率を残すことも期待できる。
本来、長距離打者はフルスイングのイメージが強いが、ロハスは違う。ミートがうまく、バットのいいポイントでボールを捉えることができる。例えば、米国なら中距離バッターとしての特徴が強くなるが、韓国や日本においては長距離打者となる。スイッチヒッターということもあり、甲子園特有の浜風も苦にしないだろう。
さて、今年の新外国人選手に関しては、2月1日からスタートする春季キャンプに間に合わないという問題がある。新型コロナ再拡大で外国人の新規入国が制限されたことによるものだが、3月26日の開幕まで時間はある。これまでに培ってきたものがあるならば、それほど影響はないだろう。
かつてキャンプをせずにタイトルを獲得したバッターがいた。日本選手だが、1979年の阪急・加藤英司(当時)だ。腰痛で春季キャンプができず本格的に動き出したのは3月のオープン戦時期。しかし、この年までしっかりと練習してきたこともあり、最後は首位打者となった。
ロハスのような選手であれば、米国のジムでトレーニングしているはず。全く体を動かしてこない、ということはないだろうし、積み重ねてきたものがあれば心配はいらない。
あとは日本式バッテリーの配球や細かい変化球への対応。米国や韓国の投手はストレートの比率が高い。ストライクゾーンは外角に広く内角に厳しい。
一方でNPBでは内角を厳しく突かれる傾向がある。韓国でのロハスは、内角のボールを本塁打にしていた。この点でも日本の野球に順応できるという見方ができる。