阪神・岡田監督の耳打ち不発 梅野に歩み寄り「ヒット打て」一発逆転の好機 大振り注意も遊ゴロに
「巨人8-5阪神」(3日、東京ドーム)
阪神・岡田彰布監督が動いた。5点を追う六回だった。中野のソロと代打・糸原の適時二塁打で2点を返し、2死二、三塁から佐藤輝が四球を選んで満塁となったところでベンチを出た。一発逆転の絶好機だったが、指揮官は代打を告げるのではなく、次打者の梅野に歩み寄って耳打ちした。
「ヒットを打てって。みんな振りが大きいから。振り回してばっかりやから」
チームは五回まで相手先発の戸郷に対して7三振。梅野も2打席連続で三振に終わっていた。コンパクトなスイングを心がけるべく助言を送ったことを明かし、ベンチでニヤリと笑った。指揮官が選手に直接声をかけるという珍しい光景だった。梅野は高梨に対してカウント2-2から直球をはじき返したが遊ゴロに倒れ、“岡田のささやき”は不発に終わった。
先発に送り出した門別が序盤に6点を失ったが、大山のソロ2発など八回を終えて2点差まで迫っていた。それだけに失策に端を発した4番手・加治屋の2失点に怒りが収まらなかった。
「ゲームセットまで何が起こるか分からんのやから、この球場やから。セーフティーリードは何点や言うても分からへんような球場やから。中継ぎピッチャーもそこまではな、あと1点、2点くらいのところまでいったわけやからなあ。大勢も甲子園で打ってるから。そら2点(差)くらいやったらと思ってたよ」
4月26日以来の敗戦で、連勝は3で止まった。それでも九回に相手守護神の大勢から1点をもぎ取り、降板に追い込んだ。虎党が待ち望む5月初勝利へ、布石は十分に打たれた。