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【日本ダービー】ジャスティンミラノと栄冠目指す友道師 勇気もらった藤岡康太騎手の言葉

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 「日本ダービー・G1」(26日、東京)

 いよいよダービーウイークに突入!2021年に生まれた7906頭の頂点に立つのは、果たしてどの馬か-。中心を担うのはもちろん、無傷3連勝で第1冠を制したジャスティンミラノだ。管理する友道康夫調教師(60)=栗東=は16年マカヒキ、18年ワグネリアン、22年ドウデュースで現役最多のダービー3勝。歴代単独2位となる4勝目の栄冠へ、皐月賞馬とともに突き進む。

 史上8頭目となる無敗の春2冠を目指すジャスティンミラノ。2歳の11月と遅めのデビューながら、破竹の勢いで3連勝を飾り、1冠目を奪取。一気に主役の座へ上り詰めた管理馬との歩みを友道師が振り返る。

 出会いは当歳の7月。半兄ピエトラサンタも管理しているトレーナーは「全体のシルエット、顔つきや目つき。精かんで賢そうな顔もそうだし、いい筋肉の質があった。長い距離の適性もありそうで、いい馬になるんだろうなと思っていた」と将来性の高さにひかれたことを覚えている。

 しかし、1歳の時点では体の緩さが残り、調教のピッチが上がってこない。「1年前のこの時期に、POG取材で何も言っていないと思う」。友道厩舎では夏に一度ゲート試験を合格させ、秋に備えて放牧に出すのが主流だが、その流れには乗れていなかった。

 「ようやく平均レベル」に達して臨んだのが新馬戦。半信半疑のままレースに送り出したが、先行押し切りの王道競馬で鮮やかに勝ち切った。「こちらが思った以上に強かった」。レース後にはホープフルS参戦も検討されたが、肉体面や精神面の成長を促すために年内は休養。結果的に、この判断が功を奏した。

 そして年明け-。「馬が急激に良くなってね。見た感じも体に幅が出て、調教も動けるようになってきていた」。始動戦として選んだのは出世レースの共同通信杯。だが、ここで誤算が生じた。「『行く』って言った後に、ジャンタルマンタルも来るって。『あれ?』ってなったんだけど、言った以上はやめられないからね」と苦笑い。当時はまだ1戦1勝の身。2歳王者との対戦には、さすがのトレーナーも心もとなかった。

 そんな指揮官に勇気を与えたのが、落馬事故で4月10日にこの世を去った藤岡康太騎手だった。「ちょうど1週前に康太が乗ってくれてね。『来週使えば、3歳の勢力図が変わるかも』って言ってくれた。その言葉で自信を深めて臨めた」。当時、調教をつけていた彼の言葉を証明するかのように、ミラノは2歳王者相手に1馬身半差をつけて完封勝ちを収めた。

 皐月賞前にも康太騎手は変わらず、普段の調教でミラノにまたがった。「僕がいないところでも追い切りの雰囲気、感触を康太が戸崎(圭)さんに伝えてくれた。今回だけでなく、ドウデュースもマカヒキもワグネリアンもずっと乗ってくれて、競馬で乗るジョッキーに調教の内容や感触を伝えてくれていた。本当に頼りになった」と感謝の思いは尽きない。

 そして迎えた第1冠。戦前に不安視された“コーナー4つ、多頭数、G1の速いペース”の全てに対応して圧巻のレコード勝ち。友道師が管理した3頭のダービー馬は、いずれも皐月賞ではライバルの後じんを拝したが、「3頭と比べて違うのは前につけられる競馬センスがある。そこが決定的に違う」と指摘する。そして、いずれにも共通しているのは『頭の良さ』。「テンションが上がってもすぐ自分を取り戻せるところが似ている。自分のやるべきことが分かっている」と頼もしそうに目を細める。

 いざ、世代の頂点へ-。今回勝利を挙げれば、調教師としては歴代単独2位となるダービー4勝目だ。「ダービーは何度でも獲りたい。皐月賞の前に『東京の方がミラノには合う』って言ってきたから、あんまり変な競馬もできないね」。そう言って控えめに笑うトレーナーの表情には、勝利への確かな自信がにじんでいた。

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